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梅雨明け宣言なしの年も存在する!何故梅雨明け宣言なしが起こるのか

1.梅雨明けなしの年も存在する

梅雨入りしたからには当然梅雨明け宣言があるのが当然と思っているかもしれませんが、実は梅雨明けの宣言がなしの年というのも存在します。最も実際に梅雨が明けずに1年中雨が降り続けるという訳ではなく、一部地域で梅雨明け宣言をしないまま夏に突入してしまったパターンが少なくないのです。それは梅雨の予報の難しさに原因があります。

  

通常梅雨明け宣言の基準の1つに「むこう1週間程晴れの予報が続く」とあるのですが、梅雨明けの時期に1週間の天気予報が雨、曇りだと気象庁は梅雨明け宣言を出すことが出来ません。その場合は宣言は出さずにその年の9月にそれまでの情報を元にして梅雨明けの確定値を発表することになります。この発表をもって梅雨明けとなりますが、これは梅雨明けで宣言ではありません。よってその年あ梅雨明け宣言なしとなるのです。
 
ちなみに実際に梅雨明けがなかった例を挙げると2009年に東北地方は梅雨明け発表を行わないことを発表しました。梅雨明け宣言を行わないのは2003年以来6年ぶりとのことだったのでさほど頻繁に起こる訳ではありません。あと関東甲信は1993年は梅雨明けの宣言がありませんでした。探して見れば他にも梅雨明け宣言がない年や地域が見つかるでしょう。つまりさほど珍しいことではないのです。
 
 

2.梅雨入りと梅雨明けの基準とは?

梅雨入り宣言の基準は梅雨型の気圧配置、前線が見られる、2日間の天気が晴れ、むこう1週間の天気予報が曇りと雨といった様々な情報から総合的に判断して梅雨入り宣言が出されます。時期的には大体5月下旬から6月中旬頃となりますが、100%正確なものではなく外れる事もあります。梅雨明け宣言の基準は2日以上雨が続いた後の前日と本日が晴れ、むこう1週間程天気予報が晴れ、梅雨前線が北上して戻ってこないと判断した場合に梅雨明け宣言を出します。毎年大体7月中旬から7月下旬頃に出ますが天気予報と同様に当たることもあれば外れることもあります。
 

3.梅雨明け宣言なしの年が存在する理由

実は梅雨入りと梅雨明けの宣言というのは非常に難しいと言えます。その理由を説明すると、まず梅雨の時期に雨を降らす原因は梅雨前線によるモノです。梅雨前線は北から来るオホーツク海気団、南から来る小笠原気団と呼ばれる2つの湿った高気圧がぶつかったラインと言えます。基本的に雨雲は1000hq範囲程の大きさのモノが多いのですが、梅雨前線は100hq程の幅しかないのが特徴です。つまり通常の雨よりずっと梅雨前線は南北の幅が細いのでどこに梅雨前線が通過するのか判断がしにくく、気象庁のスーパーコンピューターでも予測がつきません。さらに2つの高気圧がぶつかっているので梅雨前線は北上したり南下したりと進路を予測しにくいのです。その上高気圧の影響により梅雨前線の両側は晴れているので梅雨の時期は雨の予報でも晴れたり、晴れの予報でも雨になることが多いのです。だから通常の天気予報より梅雨入りや梅雨明けの予測は困難で、さらに一般的な天気予報より注目度が高いのでうかつに宣言を出すことが出来ないのが現状と言えます。
 

4.梅雨入り・梅雨明け宣言が取り消されることも

あと梅雨入りや梅雨明けの宣言が出されてもそれが取り消される場合もあります。先ほど説明したように梅雨入りや梅雨明けの予測は難しく厳しい試験を通過した気象予報士、気象庁の職員であっても読み違えてしまうことがあるからです。思い切り予測を外して後に訂正されたケースも実際に存在します。あまり知られていませんが、科学が発達した現代社会においても梅雨入りや梅雨明け宣言を出してから9月にデータを再度分析して梅雨入り、梅雨明けの時期を確定しています。